ディーゼル車の燃費を改善したいときは、添加剤や部品を選ぶ前に、現在の燃費と使用条件を把握しましょう。給油量が増えても、走行距離や積載量、作業時間が増えただけかもしれません。条件の違う数値を比べると、対策が役立ったかどうかも分からなくなります。
まず記録をそろえ、運転方法を見直し、指定の点検・整備を確認する。その後で必要な対策を選ぶ順序が基本です。この記事ではディーゼル車を中心に、トラックや農機を管理する際にも使える、燃費改善の進め方を紹介します。

最初に、燃費の基準と比較する条件を決める
燃費の改善は、対策前の状態が分からなければ評価できません。日本自動車工業会の「エコドライブ10のすすめ」でも、自分の車の燃費を把握することが勧められています。燃費計や給油記録など、続けやすい方法を一つ決めましょう。
給油量だけで良し悪しを判断しない
距離に対する燃費は、走行距離を使用燃料量で割ったkm/Lで表せます。給油記録を使う場合は、満タンから次の満タンまでの距離と給油量など、同じ方法で集計します。給油の区切りが毎回違うと、比較する範囲もずれてしまいます。
車載の燃費表示と給油記録による計算は、別の方法による数値です。どちらかを必ず正しい値と決めつけるのではなく、同じ方法の記録を継続して変化を見ます。単発の数値が良かっただけで、対策の効果が確定したとは扱わないことが大切です。
農機は、距離より作業に合う指標で見る
ほ場で使う農機は、道路を走る車と同じkm/Lだけでは比較しにくい場合があります。給油量と作業時間を記録したL/時、面積が把握できるならL/haなど、実際の作業に合う指標を選びます。小さい値ほど燃料消費が少ない指標と、km/Lの向きが違う点にも注意しましょう。
同じ機械でも、耕うんと運搬では条件が違います。作業内容や面積、使う作業機をそろえ、同種の作業同士で比較してください。記録の形式を決めるのは管理上の提案であり、機械メーカーの性能試験を再現するものではありません。
運転では、不要な加速・減速を減らす
一般的な走行では、穏やかな発進と、交通状況を見越した加減速が基本です。日本自動車工業会は、車間距離にゆとりを持ち、速度の変化を少なくする運転を案内しています。前の車に近づいてから強く減速するような運転を、まず振り返りましょう。
ただし、交通の流れを妨げるほど遅く走ったり、合流で必要な加速を控えたりすることを勧めるものではありません。信号や渋滞を見越して余裕を持って出発し、安全な走行に必要な操作を優先します。燃費だけを目標にすると、運転の判断が偏りやすくなります。
低回転なら必ず省燃費とは限らない
エンジン回転数を低く保つことだけを目指し、無理な変速や高い負荷のかけ方をするのは適切ではありません。変速機や省燃費モードの使い方は、車種の説明書に従います。農機でも、作業機に必要なPTO回転数などを無視して回転を下げないでください。
所有者が調整できる操作と、整備事業者が確認すべき制御は分けます。インターネット上の燃費改善方法を見て、燃料噴射や排気装置の設定を変更することは避けましょう。指定された仕様を守りながら、日常の運転や作業の無駄を減らすことから始めます。
待機・積載・移動計画も見直す
燃料の消費は、走っている間だけではありません。不要な待機中のアイドリングや遠回りを減らせないか、業務の流れも確認しましょう。積み下ろし時の待機場所や出発時刻を共有することは、運転者だけに努力を求めるより取り組みやすい改善です。
エンジン停止の判断は、作業装置の使用、車両の再生制御、説明書の指示を優先します。交差点などで手動でエンジンを止める操作を、一律に勧めることはできません。暑さ・寒さへの対応や運転者の体調も、燃費のために犠牲にしないでください。
荷物については、業務や安全に必要なものを残し、載せたままになっている不要品を見直します。トラックでは積載量の違いが比較に影響するため、軽い荷物の日と重い荷物の日を区別して記録します。農機のバランス用ウエイトなどを、燃費だけの理由で外してはいけません。
点検は、タイヤと指定の消耗品から確認する
燃費対策としても、タイヤの空気圧やオイル・フィルターの管理は確認したい項目です。空気圧は車両やタイヤ、使用条件に合う指定値を確認します。「高くすれば燃費がよくなる」と自己判断で過剰に充填することは避けてください。
エンジンオイルは粘度だけでなく、メーカー指定の規格や交換条件を確認します。交換の時期は走行距離だけで決められない場合があるため、期間や使用時間、厳しい使用条件の指定も読みます。農機と乗用車の交換周期を混ぜないことが大切です。
点検した日、交換した部品、次に必要な対応を記録しておくと、燃費が変わった際の前後関係を確認できます。日常管理の全体は、ディーゼル車のメンテナンスについての記事も参考にしてください。
急な燃費悪化や再生頻度の変化は、点検につなげる
使い方が大きく変わっていないのに燃費が落ちた、警告表示が出る、力不足を感じるといった場合は、節約の工夫だけで解決しようとせず点検を相談します。DPFの再生についても、普段より頻繁になったと感じるなら、その変化を記録して伝えましょう。
いすゞのFAQでは、DPDの手動再生の頻度が以前より増えた場合に点検を案内しています。原因を一つに決める案内ではなく、使用条件や装置の状態を確認する必要があるということです。他メーカーの車両では、対象車の説明書と販売店の案内を優先します。
燃費悪化とすす・汚れの関係を気にしていても、いきなり洗浄を前提にする必要はありません。運行条件が変わったのか、整備が必要なのかを確認してから、対応の内容と費用を相談する順序にしましょう。
費用を比較する場合は、燃費と燃料単価も分けて記録します。給油代が下がっていても、単価が下がっただけなら車両の燃費が改善した証拠にはなりません。反対に、単価の上昇で支払額が増えても、使用量は減っている場合があります。
整備や用品にかかった金額も記録しておけば、維持費全体を考えやすくなります。ただし、安全や指定の点検に必要な費用を削ることを、燃費改善の成果として扱わないようにしましょう。
改善策は一度に増やさず、記録を見て評価する
記録表は「日付」「走行距離または作業量」「給油量」「積載・作業条件」「実施した対策」の五つを基本にできます。最初の期間で基準を作り、次の期間は不要な待機を減らすなど、変えた項目が分かるように進めます。期間は使用頻度に合わせ、少量の給油一回で結論を出さないようにします。
複数の対策を同時に行うと、どれが数値に影響したかを分けにくくなります。季節や渋滞、積載量も変わるため、改善が見られても特定の商品だけの効果と断定しないでください。比較条件が違ったときは、その事情を記録へ残します。
法人で取り組む場合も、車種や運行ルートの違う車両を燃費だけで順位づけしないことが大切です。まず同じ車両の変化を見て、実施しやすかった工夫を共有します。安全な運転と無理のない記録を続けられる方法を選びましょう。
燃料系ケアを追加で検討するなら、6in1の適合を相談
CCY株式会社では、ディーゼル車用燃料添加剤「6in1」を取り扱っています。運転や点検を見直したうえで燃料系のケアを検討する方は、車種・型式・使用状況を添えて、適合や購入方法をご相談ください。一定の燃費改善率や、故障の解消を保証するものではありません。
